『チャーリーとチョコレート工場』

ティム・バートン大好き!ジョニー・デップ大好き!原作大好き!チョコレートも大好き!なニコ子が、遅ればせながら見てきましたよチョコレート工場。びんぼうにんなので水曜レディースデー最終の回を見ようと、でもキモチ早めに30分ほど早く劇場に着いたら長蛇の列。ひとりで行ったのになんと立ち見(とはいえ中央の通路に座ることができたので快適でした。お尻は痛くなったけども)。恐るべしティム先生!
いやーでも立ち見でも全然オッケー。終始ニヤニヤしっぱなしの2時間。とりあえずもう一回見たいなー。
長くなったので畳みます(多少ネタバレあり)。
もーとにかくウォンカさんが可愛すぎる。ジョニー最高。無邪気で意地悪で孤独な王様ウィリー・ウォンカ。一部ブログなどで「悪趣味」「こわい」と書かれていたので、どんなことになっているのか楽しみにしていたのですが、思っていたよりは全然原作に忠実(私のイメージではバイオレットはあんなにスポーティじゃなかったけど)。足されていたのはウォンカさんの過去と、あとはウェルカムソングのとこぐらいかな。あ、ウェルカムソングの場面が悪趣味なのか。そうかそうか。
映像は、とにかく隅から隅まで凄いです。チョコレートの河を進むキャンディのボートにウンパ・ルンパウンパ・ルンパ役の人すげー。別撮りしたというだけあって、全員動きが違うもの。あとは何が凄いって、「なんでもたべられるよ」っていうお菓子の草原がまるで美味しそうじゃないところがさすがティム・バートン(笑)。こんなの香りのする映画館(試写会だけ?)だったら具合悪くなってたこと請け合いです。
私はウォンカさんが画面に登場するや、彼の歯並びばっかり気になって仕方がなかったのですが、なるほどね、こういう伏線ですか。あの無駄に大掛かりで毒々しい歯列矯正器はグッと来るなぁ〜。正直見ている途中は、「ウォンカさんの生い立ちとか…いらなくね?」と思っていたのですが、あれがないと、(原作に忠実な)ただのエキセントリックな天才ワンカさんで終わっちゃう。原作及び過去の映画『夢のチョコレート工場』はチャーリーが主人公だからそれでもいいけど、今作はどう考えたってウォンカさんが主役なので、ああいうシーンがちょこっと入ってたのは正解だと思う。あのおまけ程度のちょこっと具合も含め。ウォンカさんのしょんぼり部分が垣間見えることにより、ウォンカさんがより魅力的に。何十年もトラウマ引きずっておいて、チャーリーが一緒に行くとなったらあっさりパパに会いに行けるところとか、家出した頃とちっとも変わってないお子様ウォンカさん、て感じで良かった。
手放しで大絶賛しても良いんだけど、あえて疑問をいっこだけ。
ウォンカさんは“パパ”“ダディ”という言葉以前に、“parents”という言葉を言いよどむ訳ですよ。でも、その割にママは一切出てこないのは何で?ウォンカさんが家族の愛情を欲しているなら、そこにはママがいて然るべきだと思うんだけどなぁ。家族愛と言うよりも、ウォンカさんが欲しいのは「父と子がお互いを理解しあうこと」であると考えると、結局父と息子は完全には理解しあえない、ってことなんでしょうか(前作『ビッグ・フィッシュ』も、パパが死ぬ直前にしかわかりあえなかったものね)。ウォンカさん結局パパとは暮らさないんだもん。ま〜、その辺をちゃんと描くとたぶんそれで映画一本出来そうなので、このぐらいでいいのかな。
とにかく、いろいろ差っ引いても映画館に足を運ぶ価値は絶対にあります!お勧めです!…ジャック・スケリントンよりジャック・スパロウのほうが断然好き!という方以外には。

なーるーほーどー!

やぶいぬ日記id:Bushdog)さん経由で、内田樹先生のおとぼけ映画批評を拝見しました。なるほど!