『泥棒役者』

片桐仁さん&きたろうさんの出ている、劇団たいしゅう小説家『泥棒役者』に行って来ました。初めて聞く劇団名ですが、どうやら劇団というより演劇ユニットという感じですね。作家も演出も役者も固定ではないっぽい。今回は、KKP等でもお馴染み西田征史さん作・演出。会場は東京芸術劇場の小ホールで、やはり初めての場所だったんですけども、席が広めで見易いハコでしたよ。
どうでもいいけどグッズのTシャツの色が多すぎて笑った。原色で5色ぐらい。
以下ネタバレ含む感想をば。


嘘と勘違いが重なって重なってすれ違ってすれ違って、最後はちょっといい話、な王道コメディ。伏線とかはあんまりないので、純粋にあはは!と見れます。
しかし驚いたのはドミノが倒れてドーン!で出て来た絵がアレって!!なにこの肩透かし!これ例えば普通のホンだったら絶対に最後「ドミノが倒れて意外な仕掛けがあっておおー!!」っていう展開になると思うのです。ムロさん扮するセールスマンが初盤から階段にドミノ(というにはあまりにも大きなパネル)を並べ、「これが倒れると絵になるよ!!」という空気をこれでもかと言うほど醸し出していたので、こっちとしてもそこまでやられると期待せざるを得ないわけで。でもえらいこと微妙な絵が出て。客席も作中人物も「えぇー。これぇー?」っていう。逆にびっくり、っていう。あぁ面白すぎる。
仁さんは、良くも悪くもいつも通りな感じ。へんてこな服で、挙動不審で、困ると声が裏返って、たまに変なポーズ。アドリブかい?とも思えるような動きは…アドリブなんだか上手いんだか当て書き感が強いのか、ちょっと判別しかねました。舞台もエレ片も同じような感じなんだもん。開演前アナウンスも仁さんだったのですが、普通に噛んで、しかも普通に「…お願いします。 …噛んじゃった。」っていうところまで流れていたし。
きたろうさんはさすが。さすがとしか言い様がない。そしてムロツヨシさんが素晴らしかった。今回は「きたろう×仁さん」目当てで行ったのでノーマークだったのですが、あんなに凄い役者さんだとは!蛭子直和さんはひどい衣装(褒めてる)で登場でしたがかなり男前。メガネが。メガネが!仁さんと並ぶと顔小さいなー!
絵本に手紙が…とか、展開がちょっとベタすぎるほどベタだったので、その辺もうちょっとモヤッとして欲しかったかなぁ、とか思います。細かいところや小ネタはすごく面白いんだけど、大筋で言ってしまうとホンが演者に助けられている感じがしました。
2度目のカーテンコールのあと、仁さんが客席に投げキッスをして退場されたので、ほほう!と。そんな引き出しあるんだ!みたいな。靴が普通のズックなんだけど、スパンコールでキラキラしていて可愛かったな。きたろうさんのスリッパも可愛かった。
あと最後に愚痴書いてなんなんですけど、コメディだから大声で笑うのは別に良いんですが、うしろにいた人がオウム笑い*1をしており、ちょっとイラッとしていたら、そのうち笑って足をバタバタさせ始めたので怒りを忘れてちょっと驚いた。「ドミノって!あはははは!」(ばたばたばた)(ドスドスドス)ってドスドスがすげぇ響くんですけど…。あまりに驚いて、思わずこんな顔( ゚Д゚)で普通に振り返って見てしまったよ。
リビングか?ここはおまえの家のリビングか?
そしておもいきり差別しますけど普通にいい年した女の人だったのでもっと驚いた。勝手に「彼氏に可愛く無邪気な自分アピールをしたい盛りの小娘」かと思ってたよ…。あれはないわー。
あ、そういえば、荒川良々さんが見に来ていたよ。素で遭遇したことがなぜか数回あるのですが、画面で見る感じとは違ってあまりもっちゃりしていない。いつもスッとしていてちょっとかっこいいのです。

*1:おばちゃんにありがちな、セリフをいちいち復唱する笑い。隣の彼氏らしきものに向かって言ってると思われる。