あびゅうきょ作品集3『絶望期の終り』

以前スミたんの日記で影男と呼ばれた人からお借りしたマンガ。ご当人が読んで凹んだと言っていたので、一体どんな本かと思ったら、ううん、なるほどねぇ。
38歳独身無職の絶望男性「影男」が、出会った女の子(主に不思議ちゃん)から「死ぬ価値もない」とか言われる連作集。適当な説明なので本気にしないように。この影男の持つ絶望っていうのは38歳でも無職でも童貞でもないニコ子の中にも勿論あって「あがががが」となることは間違いないのですが、それより視点の違い?みたいなものがすごく興味深かった。
いちばん最初に収められているお話に、セーラー服にルーズソックスで16歳を自称する30歳のピポちゃんという不思議さん(三十路なので「ちゃん」ではなく「さん」と呼びたい←ちょっとした悪意)が出てくるんですが、彼女は「一般人の彼氏もいるし、女は結婚して子供生んでいつでも軌道修正できる」みたいなことを言い、影男も「いいなぁ。」なんていう訳ですよ。
あーこれは男の人特有の感想だなぁ、と。
からしてみると、女の子の不思議ちゃんほど年を取ってどうしようもないものはないんです。同性から見ると、年を取った「自称不思議ちゃん」(ご本人が「不思議」に無自覚な、本物の天然さんは除く。リアル天然さんは年齢関係なく得てして可愛らしい。)ほど性質の悪いものはない。それが「パンピーの彼氏もいるし」という打算の上に成り立っているなら、尚更。
私は女で、そしてたぶん同属嫌悪というのもあって、自分がいくら影男的要素を死ぬほど持っていても、三十路の不思議ちゃん気取りを「いいなぁ」と思えないのね。本筋とはあまり関係ないところなんだけども、そこがいちばん気になりましたよ。
ああ、救いってなんだろうね。