『ホステル』

タランティーノが…」「拷問が…」という断片的な内容と、どうやら面白いらしい、というウワサを聞きつけ、レンタルでやっと見た。
海外に行って羽目を外した若者がひどい目に遭うよ、っていう、「試着室に入った友達がそのまま帰ってこない」みたいな都市伝説的ホラー&スプラッター。ホラー映画王道の冗談みたいなお話だけど、このご時世ともなると、こんなホステルが世界のどこかにあっても不思議じゃないので呑気に見てなどいられません。呑気に見たけども。
前半の「女!セックス!ウハウハ!」の流れはいかにも浮かれたバックパッカーそのもので、そのあとの絶望感を盛り上げるには充分。後半の恐怖の拷問部屋は「というわけでみんな殺されてしまいましたとさ。おしまい。」という、それこそ都市伝説みたいなバッドエンドを想像していたら、意外にアクション映画風味のカタルシスが用意されており、あんだけろくでもないグロ映画(褒め言葉)なのに見終わって思わず「ああよかった!」と呟いてしまいました。結局友達は死ぬし女の子は助けられないし指はなくなっちゃうしいいことひとつも無いのだけど、なんとなくスカッとするっていう。よくできてる!おもしろい!
ある意味いちばん容赦ないストリートチルドレン達が駆け回る、石造りの町並みはエッシャーの絵みたいで素敵。映画の所為でひどく陰鬱な町に見えたけど、きっとすごく綺麗な町なんだろうな。あと外人のセクシー姉ちゃんもスッピンだとたいそうな有様だったので、それは万国共通なんだなぁ、とちょっと安心しましたよ。