『タナカヒロシのすべて』

永遠の四二歳厄年、前科二犯鳥肌実中将の初主演映画。やー。笑った。
そんなにハートウォーミングでもないし*1、内容は予告で98%言っちゃってる感じですが、まぁ全ては鳥肌中将の手腕。と、加賀まりこさんのお母さん役を始めとするキャスティングの勝利。
演技に関しては『けものがれ、俺らの猿と』で永瀬正敏さんをぱっくり喰ってたことでも既に実証済みな中将ですが、今回の平々凡々(むしろそれ以下)なサラリーマンもなかなか素晴らしい。いや、普通の…と言いつつ全然普通じゃないんですけどね。やっぱりトリッキーだし。
キックボードで走っている時の自然な笑顔が良いです。この方に関しては、不自然な笑顔しか見たことないので。あれで「でもモテる」っていう設定がぐっと活きたような気がします。…私は嫌だけどな、あんなテクノ七三カット。
やっぱりこの人は役者さんの方が向いてるんじゃないですかねぇ。「鳥肌実」を演じる(とあえて書いてしまいますが)より全然良いと思うんですけど。ファンの方にとっては、あの普段の破綻したところが魅力なのでしょうが。
あ、あと、この映画、音楽良い!白井良明さんらしい。
ていうかタナカヒロシ幾つだよ!って思って見ていたので、年齢を言うシーンがいちばん笑いました。中将って実年齢はお幾つなんでしょうねぇ。あの(役の)年だと言われればそんなもんか、とも思えるなぁ。
予告を見なければ、ストーリーもそこそこ楽しめるし(予想はついてしまうと思うけど)、今までのイメージとは180度違うキャラクターを演じる中将を見てみるのも面白いかと。そして芸人・鳥肌実を知らない方は、映画のあとに廃人演説を聞いてげんなりすると良いと思います。

*1:予告で言ってた