『HAZE』

スクリーンで顔のどアップを見ること日本一、でおなじみ塚本晋也監督の『HAZE』をようやく見て来ました。ちょこっとネタバレしますよ。
公開からはや4週、腰の重いこと山の如し、ですよ。自分のお部屋大好き、外でのひとり遊びが苦手で基本的に出不精な私は映画館にも年に数回しか行かないのですが、これは劇場で見ないと後悔するだろうなぁ、という強い思いと共に、さらに腰を重くさせる要因であるところのレイトショーにも負けず、渋谷のライズXへ。3月末だっていうのに寒いよね。
ちなみにお仕事定時上がりの後はファミレスで3時間ゲームやってました。持っててよかったゲームボーイmicro。折角だから『変態村』か『ラストデイズ』を見ればよかったかなぁ。でも映画のハシゴって勿体無いような気がするのです。バカだから片方の印象が薄れちゃいそうで。単に体力がないだけとも言います。ていうか『変態村』って邦題はひど過ぎる。『ソドムの市』みたいな映画を想像するよね。
単館アングラ雰囲気丸出しでその丸出し具合がちょっと恥ずかしいライズX。初めて行きましたが、お金持ちの家の地下室みたいです。1階と2階の真ん中という中途半端な位置にスクリーンがあるのですが、あそこは何処で見るのが一番見やすいんでしょうね。2階の一番前がいいのかな。私が入った時には2階が微妙に埋まっていたので、1階席で沈む映像をさらに下から鑑賞。
心と身体の中と外、静かなる死へ向かう前作『VITAL』を見て、私は「塚本ワールドはこれで完結しちゃったかな」という印象を受けたのですが、本作『HAZE』は『鉄男』の時期に構想されたというだけあって、塚本映画の面目躍如なサイバーパンクムービー。石川忠さんの音楽に共鳴するコンクリート、鉄、男、血、肉、女、これぞ真骨頂!
友人の偏執的映画ヲタブログに「謎解きが用意されている」と書かれていたので、これにどういうカラクリが?と思っいたのですが、謎解きが必要だとするならば至極真っ当な説明で、うーん、なるほど、という感じ。不条理ホラーとしてラストシーンまで暴走爆走、でも十分見応えあったと思うのですが、謎解きのおかげで映画としてはものすごくわかりやすくなっています。しかもハッピーエンド。煽り文句などから、もっと断片的な作品なのかと思っていたので意外でした。それを好とするか否かは意見が分かれるところかもしれませんが、私は好きです。重いし恐いしキモチ悪いけど見終わったあとは多少スッキリっていう。
あぁ面白かった。しかしスッキリとはいえドキドキしすぎて疲れましたわ。帰りの足どりの激しく重いことといったら。