KKP#5『TAKE OFF〜ライト三兄弟〜』

ラーメンズの神のほう*1こと小林賢太郎さんプロデュース(KKP)『TAKE OFF〜ライト三兄弟〜』を見に、本多劇場へ。
一言で言うなら、「オレンヂ!!」。公演寸前に代役として参加されることになったオレンヂさん。神の選んだ人だから間違いない!という信頼はあったものの、予想以上に素晴らしかった。特に今回は、お芝居といえどもアドリブ&悪ふざけ多数の舞台なので、芸人偏差値の高いオレンヂさんはうってつけのキャストだったのでは。降板された村上さんだったらここまで出来たかしら、とすら思えた。巨大な二人にちびっこ一人、っていう見た目の対比もそれだけでオイシいし。
というわけでオレンヂさんだけ絶賛してあとネタバレ。

今回のお芝居は、青春グラフティ風。青春って年齢でもないですが。これといった伏線もなく、今までで一番わかりやすかったなぁ。だんだんとシンプルになって行くものなんですかね。
個人的には、役者さんが3人のみっていうのが良かった。小林さんの脚本って、というかKKPはあて書き感も満載なので、いつもどの役も個人情報満載で、情報過多すぎて人数多いとごちゃごちゃな印象が強かったんですよねー。だから3人ぐらいでちょうどいい感じ。
あと、きっとだんだん増えているのだと思うんですが、アドリブ多いのね。まだ東京公演始まって浅いし、基本的に脚本きっちりなイメージだったので、演者同士顔見て噴き出すような回数多くてびっくりした。「アドリブで遊ぶよ!」っていうお約束シーンはまだしも、本筋から離れる勢いの場面が何度かあったので、けっこう意外でした。あーそういう(ふざけたりする)人なの、と。久ヶ沢徹さんのこと大好きなんだろうなぁ。オレンヂさんも久ヶ沢さんも、アドリブに対応する瞬発力があるから信頼して自由に遊べる、っていうのもあるのでしょうし。*2
3人の男が、不可能に近い可能性の中で飛行機を作る。芝居中盤、私はハエ(飛行機)が飛ばずに終わるという結末もあるのかもしれない、なんて思っていました。しかし、ラストシーンでオレンヂさんを乗せたライト三兄弟の飛行機は、みごと海岸を飛びます。そこで私が、おー!という感動共に抱いたのは「あぁ、男の子だなぁ。」という感想。やっぱり男の子っていうのは、ロマンチックで出来ているんだなぁ、と。ま、小林さんはきっと「こんなの泣かせの演出だよ!」と言うでしょうけど。
とにかく、今回もしてやられたりですよ。まったく、神には敵わんね。

*1:揶揄も含まれてますよ念のため。

*2:ラーメンズでそんなのやったら、きっと小林さんもお客さんもハラハラしちゃう。